施工方法

標準施工仕様

樹脂の散布量を決定するために行った試験結果を図-1に示します。

耐摩耗性は、1.5kg/㎡程度までは樹脂散布量に比例して向上しています。

透水係数は、逆に樹脂散布量を増やすと徐々に減少し、1.0kg/㎡以上になると機能低下となっていきます。また、すべり抵抗は、硬質骨材を散布するので樹脂散布前の状態と同等となります。

そこで、施工仕様は表-1を標準とし、これに用途、使用材料、母体の排水性舗装の配合、現場状況等を考慮したうえで最終の施工仕様を決定するものとします。

図-1 樹脂散布量別性能
表-1 標準施工仕様
散布手順 標準散布量 使用材料
1層目 樹脂 0.5~0.7 kg/㎡ メタクリル樹脂等
硬質骨材 0.25 kg/㎡ 珪砂・エメリー等
2層目 樹脂 0.3~0.5 kg/㎡ メタクリル樹脂等
硬質骨材 0.25 kg/㎡ 珪砂・エメリー等

標準施工フロー

標準施工手順

1)施工前の準備

樹脂を散布する施工範囲の外側にある縁石、側溝等、樹脂が付着してはならない部分をガムテープやマスキングテープ等で養生します。

2)一層目樹脂および硬質骨材散布

エアレススプレー機等、材料にあった吹き付け機械で樹脂を均等に所定量散布します。樹脂散布後、直ちに(樹脂が硬化する前)に硬質骨材を所定量散布します。

3)養生

樹脂が完全に硬化するまでの30分ほど、水分やほこりなどが表面に着かないよう注意します。

4)養生

二層目樹脂散布および硬質骨材散布

一層目の樹脂の硬化を確認してから、二層目の樹脂を散布します。一層目施工と同様に硬質骨材を所定量散布します。

施工上の注意点

  • 樹脂は、母体となる排水性舗装混合物の舗設を完了してから、数日内に散布することを標準とします。特に修繕工事にあって過酷な供用条件下の所は、できるだけ早く樹脂を散布する必要があります。
  • 舗設と同一日に樹脂を散布する場合は、母体温度が50℃以下になるまでの養生が必要となります。修繕工事などの現場状況によっては、別途検討が必要です。
  • 母体舗装混合物の表面に水分があると、樹脂の硬化不良の原因となるので、雨天時の施工は避けるとともに、雨天後の施工の場合でも、水分の存在には十分注意が必要です。

吹付け機

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